前撮りの新郎衣装は新婦の衣装に合わせて選ぶと決めやすくなります。小物、サイズ、当日までの準備までを解説します。
前撮りの準備を進めていると、話題の中心は新婦の衣装やヘアメイクになりがちです。新郎は「何を決めればいいのか分からないまま当日を迎えた」という声も聞かれます。
結論からお伝えします。新郎の衣装は、新婦の衣装に合わせて決めるのが分かりやすい方法です。色や格を合わせると、二人で並んだときの写真がまとまります。
逆に、新郎だけで先に決めてしまうと、当日並んだときにちぐはぐに見えることがあります。写真は二人で1枚です。ここを押さえるだけで、迷う時間がかなり減ります。
この記事では、洋装と和装の考え方、小物の合わせ方、サイズの確認方法、当日までにしておくとよいこと、表情とポーズのコツまでを順に整理します。新郎本人はもちろん、新郎に何を伝えればよいか困っている新婦にも役立つ内容です。

新郎の前撮り衣装は、新婦の衣装に合わせて決める
衣装選びで迷ったときは、新婦の衣装を基準にしてください。基準が1つ決まると、選択肢は自然に絞られます。
新婦の衣装を基準にすると決めやすい理由
新婦の衣装のほうが、選べる幅が広いためです。ドレスも和装も色や形の種類が多く、先に決まっていることが少なくありません。
たとえば新婦が白いドレスなら、新郎は濃い色のタキシードで明るさの差をつける方法があります。反対に、二人とも明るい色でそろえると軽やかな印象になります。どちらが正解ということはなく、どんな写真にしたいかで決まります。
気をつけたいのは、色だけを見て決めてしまうことです。生地の光沢や柄の量も、並んだときの印象に影響します。
二人で試着の日程を合わせられるなら、同じ日に合わせてみるのがおすすめです。難しい場合は、新婦の衣装の写真を持って新郎の試着に行くだけでも判断しやすくなります。

合わせるのは「色」「格」「雰囲気」の3つ
合わせる要素は、この3つに絞ると考えやすくなります。
色:二人の衣装の明るさに差をつけるか、そろえるかを決めます。差をつけると輪郭がはっきりし、そろえると柔らかい印象になります。
格:格式の高さのことです。新婦が正装なら新郎も正装に寄せると、ちぐはぐになりません。新婦が軽やかなドレスなのに新郎だけ堅い装いだと、そろっていない印象になります。
雰囲気:かしこまった雰囲気か、リラックスした雰囲気か。撮影場所とも関わる部分です。
3つのうち、迷いやすいのは「格」です。判断がつかないときは、衣装を扱う担当者に「この衣装と釣り合う男性の装いはどれか」と直接聞くのが早い方法です。
新郎だけで先に決めると起きること
新郎の衣装を単独で決めると、当日並んだときに違和感が出ることがあります。一人で鏡を見たときには格好よく見えても、二人で並ぶと話が変わるためです。
よくあるのが、新婦が和装で新郎が洋装という組み合わせです。片方だけ和装にしたい希望があるなら問題ありませんが、意図せずそうなると写真の中で世界観が分かれます。
もう一つは、色が近すぎて輪郭が溶けてしまう組み合わせです。二人とも淡い色だと、背景によっては境目が分かりにくくなります。
防ぐ方法は簡単です。決める前に、二人の衣装を並べた状態を写真で確認してください。試着室でスマートフォンで撮っておくだけでも判断材料になります。
洋装と和装、それぞれの特徴を知る
新郎の衣装は、大きく洋装と和装に分かれます。動きやすさと写真の印象が違うため、先に違いを押さえてください。
洋装(タキシード・スーツ)
洋装は動きやすく、ロケーション撮影(スタジオではなく、海や公園、街などで行う撮影)と相性のよい装いです。歩く、しゃがむ、手をつなぐといった動きのあるカットが撮りやすくなります。
タキシードは夜の正装として生まれた装いで、光沢のある襟が特徴です。スーツやセットアップ(上下をそろえた装い)は、より日常に近い雰囲気になります。街並みや自然の中でのリラックスした写真とも合わせやすい選択です。
注意したいのは、屋外では生地のしわが写りやすいことです。車での移動が長い場合は、到着後に上着を整える時間を見ておくと安心できます。

和装(紋付袴)
紋付袴(もんつきはかま/男性の和装の正装)は、落ち着いた雰囲気と重みのある印象が出せる装いです。日本庭園や神社仏閣、和の街並みとよく合います。
黒無地の紋付は新婦の色打掛を引き立てやすく、縞(しま)の入った袴は写真に軽さが出ます。新婦が白無垢なら、新郎側に少し色や柄を入れて変化をつける方法もあります。
一方で、和装は着付けに時間がかかります。帯を締めるため、動きにも制限が出ます。歩幅が狭くなるので、階段や砂の上を長く歩く場所では移動に時間を見ておいてください。
草履(ぞうり)で長距離を歩くと足に負担がかかります。移動用の履物を持ち込めるかどうかは、依頼先によって異なるため事前に確認することをおすすめします。

屋外では衣装の色の見え方が変わる
屋外の撮影では、衣装の色によって背景との関係が変わります。室内の鏡で見た印象がそのまま写真になるとは限りません。
明るい色(ライトグレーやベージュなど)は、緑の多い公園や夕方の景色の中でも背景に埋もれにくく、輪郭が残ります。写真全体の印象も軽やかになります。
濃い色(ブラックやネイビーなど)は、体の線が引き締まって見えます。白いドレスの隣では明るさの差がはっきりし、二人の輪郭が分かれます。
ただし濃い色は、暗い背景の前だと沈んで見えることがあります。夜景や日陰の多い場所で撮る予定なら、明るさの差がつく場所を選ぶ、光の当て方を調整するといった対応を撮影会社に相談してください。
夏場は色による暑さの感じ方の違いもあります。濃い色は日差しを受けると熱を持ちやすいため、休憩を挟む前提で組んでおくと体力が保ちやすくなります。

小物は「新婦と色を1つ合わせる」と決めやすい
小物選びで迷ったら、新婦のブーケや髪飾りの色を1つ取り入れてください。それだけで二人の写真に統一感が出ます。
洋装の小物|ネクタイ・蝶ネクタイ・チーフ・靴
洋装で印象を左右するのは、首元と胸元、そして足元です。この3か所を決めれば、洋装の小物はほぼ整います。
ネクタイは首元が縦に見えるため、落ち着いた印象になります。蝶ネクタイは横に広がる形なので、顔まわりが華やかになり、写真では表情に目が向きやすくなります。
チーフ(胸ポケットに入れる布)は面積が小さいぶん、色を足すのに向いています。ブーケの花の色や、新婦の髪飾りの色をここに入れると、離れて撮った写真でも二人がつながって見えます。
見落とされやすいのが靴です。全身のカットには足元まで写ります。普段の靴のままだと、そこだけ生活感が出ることがあります。衣装に合う靴を用意できるかは依頼先によって異なるため、事前に確認してください。

和装の小物|羽織紐・扇・草履
和装の小物は数が少ないぶん、一つひとつが写真に出ます。羽織紐(はおりひも/羽織の前を留める紐)は胸の中央にあるため、正面のカットで目に入ります。
扇(せんす)は、手の置き場所に困ったときに助けになります。手ぶらだと手の位置が定まりにくいのですが、何かを持つと自然に構えが決まります。
色を合わせるなら、羽織紐が使いやすい部分です。新婦の髪飾りや帯の色と近い色にすると、二人並んだときにつながりが出ます。
注意点として、和装の小物は貸し出し内容に含まれる場合と、別に選ぶ場合があります。どこまで選べるかは依頼先によって異なるため、試着の時点で確認しておくと当日慌てません。

色を合わせるのは1か所でよい
新婦と色を合わせる場所は、1か所に絞ってください。何か所も合わせると、写真の中で色が散らかって見えます。
たとえばブーケにくすんだピンクが入っているなら、チーフだけをその色にします。ネクタイも靴下も髪飾りも同じ色にすると、そろえた意図が強く出すぎます。
合わせる色は、まったく同じでなくても構いません。近い系統の色であれば、写真では十分につながって見えます。
ブーケの色がまだ決まっていない場合は、新婦側の予定を聞いてから小物を決める順番にすると手戻りがありません。