前撮りのブーケは、ドレスの形と撮影場所の景色から絞り込むと決めやすくなります。生花と造花の違い、色の選び方、屋外で崩れにくい扱い方まで、撮影現場の視点で解説します。
この記事では、ブーケの形と色の決め方、生花と造花の違い、ドレス別・撮影場所別の合わせ方、そして屋外で崩れにくくするための扱い方までを整理します。

生花と造花、どちらを選ぶ?
長時間のロケーション前撮りでは、生花よりも高品質な造花のほうが扱いやすく、撮影の終わりまで形を保ちやすい傾向があります。ただし生花にしかない質感もあるため、どちらが正解と決まっているわけではありません。
ロケーション撮影で造花が扱いやすい理由
ロケーション撮影では、撮影場所の移動が入ります。車での移動や屋外での待ち時間があるため、花は熱・乾燥・振動を受けます。生花はこの条件に弱く、撮影の後半になるほど花びらの縁が傷んだり、水が下がって花首が垂れたりすることがあります。
アーティフィシャルフラワー(本物の花に近い質感でつくられた高品質な造花)は、この影響を受けにくく、最初のカットと最後のカットで見た目が変わりにくいという利点があります。撮影後もそのまま残せるため、結婚式のウェルカムスペースなどに使い回す方もいます。
生花が向いているケース
一方で、生花の質感や香りを大切にしたい方には生花が向いています。花びらの透け感や、光が当たったときのやわらかさは、写真にも表れます。撮影時間が短い場合、屋内や日陰が中心の場合、季節の花をどうしても使いたい場合は、生花を選ぶ理由が十分にあります。
生花を選ぶ場合は、直射日光を避けられる保管場所を確保し、移動中は水を含ませた状態を保てるようにしておくと安心です。撮影の順番を調整して、ブーケが写るカットを早い時間帯に寄せるという方法もあります。
写真で造花だと分かってしまう?
造花は品質によって見た目の差が大きく出ます。安価なものは花びらの厚みが均一で、光沢が強く写ることがあります。写真は光を拾うため、この光沢が生花との差として表れやすい部分です。
逆に、花びらに厚みの差があり、表面のつやが抑えられているものは、写真で生花と見分けるのが難しくなります。造花を選ぶときは、価格ではなく花びらの質感と葉の色を確認することをおすすめします。実物を手に取って、屋外の光の下で見てみると判断しやすくなります。

ドレスの形別|合わせやすいブーケ
ドレスのシルエット別に、合わせやすい形を整理します。あくまで目安であり、これ以外を選んではいけないというものではありません。
- Aライン(上から裾に向かって広がる形)… ラウンド、クラッチ。全身のシルエットを邪魔しにくい大きさが合わせやすい
- マーメイド(体に沿って膝下から広がる形)… 小ぶりのクラッチ。大きすぎるブーケは体のラインを隠してしまいます
- プリンセス(スカートが大きく広がる形)… キャスケード、大きめのラウンド。小さすぎると全身写真で埋もれて見えます
- エンパイア(胸下から流れる形)… 細長いクラッチ、枝物を入れた自然な形。縦のラインとなじみます
- スレンダー(装飾の少ない直線的な形)… 一色でまとめたクラッチ。ドレスの静かな印象を保てます
迷ったときは、ドレスの装飾量とブーケの情報量を逆にすると整います。レースや刺しゅうの多いドレスなら、ブーケは色数を絞る。装飾の少ないドレスなら、ブーケで色や形の変化をつける、という考え方です。

撮影場所別|写真で映えるブーケの色
背景の色によって、同じブーケでも写り方が変わります。ロケーションごとの傾向を整理します。
- 海・砂浜 … 背景が青と白に寄るため、白一色のブーケは輪郭がぼやけることがあります。淡いピンクやオレンジ、くすんだ色を混ぜると形が見えやすくなります
- 並木道・森・植物園 … 背景の緑が濃いため、白やクリーム色がよく映ります。緑の葉を多く入れると背景に溶けやすくなります
- 日本庭園・寺社 … 落ち着いた色が多いため、赤や濃いピンクが映えます。白だけだと物足りなく見えることがあります
- 街・洋館 … 背景に色や線が多いため、色数を絞ったブーケのほうがまとまります
- 高原・草原 … 空と草の面積が広いため、枝物や野の花を混ぜた自然な形がなじみます
夕方の撮影を予定している場合は、光の色も考えておくと違いが出ます。日没前の時間帯は光がオレンジに寄るため、白い花はやや暖かい色に写ります。撮影スケジュールは日没から逆算して組むため、ブーケが写る主なカットがどの光の中になるかは、事前にご確認いただけます。


屋外撮影でのブーケの扱い方|現場で気をつけていること
風と日差しへの備え
海辺や高原など開けた場所では、風の影響を受けます。花びらが薄い花材や、垂れる形のブーケは、風で形が乱れやすくなります。風が強い日は、束が締まっているラウンドやクラッチのほうが扱いやすくなります。
また、日差しの下に置いたままにすると、生花は短時間でも傷みます。撮影の合間は日陰に移す、車内に置く場合は直射日光を避けるといった対応をしています。
持ち方で写真が変わる
ブーケは持つ位置で印象が変わります。胸の高さで持つと上半身が隠れ、顔とブーケが近くなります。おなかの前で持ち、ひじを軽く体から離すと、腕の線が出て全身が細く見えやすくなります。
撮影中は、カメラマンから持つ位置や角度をお伝えしています。緊張すると自然に胸の高さまで上がってしまう方が多いため、遠慮なく声をかけてもらって大丈夫です。片手で下げて持つカットも入れておくと、写真の変化がつきます。
移動中の保管
複数のロケーションを回る場合、ブーケは何度も車に乗せることになります。座席に直接置くと押し潰れるため、箱や紙袋に立てて入れておくと形を保ちやすくなります。持ち込みのブーケは、この保管方法まで含めて事前にご相談いただけると安心です。

レンタル・購入・持ち込みの考え方
ブーケの用意には、撮影プランに含まれるものを使う、追加でレンタルする、自分で購入して持ち込む、という選択があります。それぞれの向き不向きを整理します。
- プランに含まれるもの … 追加費用がかからず、当日の手配も不要。ただし種類の選択肢は限られます
- 追加レンタル … 衣装に合わせて選べる。撮影後に残らないため、記念に取っておきたい方には向きません
- 購入・持ち込み … 希望どおりのものを選べて、撮影後も残せる。持ち込み料の有無と、当日の運搬・保管を自分で担う必要があります
持ち込みを検討する場合は、持ち込み料がかかるか、撮影当日にどこで受け渡すかを申し込み前に確認しておくと、あとで困りません。条件は依頼先によって異なるため、事前にお問い合わせいただくことをおすすめします。

ブーケ選びでよくある失敗
撮影現場でご相談をいただく内容から、起こりやすいものを挙げます。
- 大きさが合わなかった … 写真で見るとイメージより大きく写ることがあります。全身写真での比率を確認しておくと安心です
- 背景と同じ色になった … 白いドレス、白いブーケ、明るい砂浜が重なると輪郭が消えます
- 2着目の衣装に合わなかった … お色直しをする場合、両方の衣装に合う色か、2つ用意するかを決めておく必要があります
- 重くて持ち続けられなかった … 大きいブーケは重量があります。長時間持つ前提で、実物の重さを確認しておくとよいでしょう
- 後半で形が崩れた … 生花で長時間の屋外撮影を行う場合に起こりやすい問題です

よくある質問
ブーケはいつまでに決めればいいですか
衣装が決まったあとに検討するのが順番としてスムーズです。レンタルや購入には手配の期間が必要になるため、いつまでに決める必要があるかは、申し込み時に確認しておくことをおすすめします。
ブーケなしで撮ることもできますか
できます。手ぶらのほうが動きのあるポーズを撮りやすいという面もあります。ただし手元が手持ち無沙汰になりやすいため、手をつなぐ、衣装の裾を持つなど、手の使い方を決めておくと落ち着いて写れます。
ブートニアも必要ですか
必須ではありませんが、ブーケと同じ花材でブートニア(新郎の胸元に飾る小さな花)を用意すると、ふたりで写ったときに揃って見えます。手元と胸元の色がつながるため、写真でまとまりが出ます。
季節の花を使いたい場合はどうすればいいですか
生花で季節の花を使う場合、その花が出回る時期と撮影日が合うかを確認する必要があります。花の入荷状況は年によって変わるため、確約はできません。特定の花をどうしても使いたい場合は、造花で似た花材を探すという方法もあります。
ブーケが写るカットはどのくらい撮れますか
全身カットではほぼ写りますが、ブーケを主役にした寄りのカットは、希望を伝えていないと少なくなることがあります。手元だけのカットや、ブーケと指輪を一緒に写したカットを残したい場合は、撮影前にお伝えください。


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